
ゴロゴロ牛肉のラグーソース。決め手はハンドチョップ!
Kaoli Kidoue(東京都)
レシピの生い立ち
そもそものきっかけは、「肉の旨みが味わえるラグーソースを作りたい!」と思ったことです。
以前はひき肉を買って作っていましたが、それでは肉自体のおいしさは味わえません。
まずはフードプロセッサーで試してみたものの、やはり繊維がつぶれてしまうというか、「肉本来の旨み」からは遠い印象でした。
そこでかたまり肉を買ってハンドチョップ(包丁で手切り)にしてみました。
そうすると、筋はしっかり切れるので「かたい」「筋っぽい」という短所はなくなりますし、同時にゴロッとした贅沢な「肉肉しさ」がしっかりと保てます。
イタリアでラグーソースを食べたとき、かなり大きめの肉がそのまんま使われていて、「なるほど!このくらい大きい肉でもいいのか!」と目からうろこ。
ウチで作るときにもそこまで小さく切る必要はないと知ったので、「手切りする」といってもさほど大変ではありません。
少なくともこのおいしさを出すにはひき肉では不可能なので、手切りする手間は決して惜しくない!と思えます。
ちなみにわが家では「ハンバーガーもドライカレーもポルペッテ(イタリアの肉団子)もガパオも、お肉はハンドチョップがうまい!」
という法則(?)があります。 ハンドチョップのお肉のうまみにすっかりハマっているのです。
もうひとつ、このレシピでは「ソース」だけでなく「パスタ」も重要な要素です。
今回の写真では、南イタリア・プーリア州を代表する「オレキエッテ」というショートパスタを手打ちしています。
オレキエッテは市販と手打ちとでは食感が雲泥の差。家族みんなで楽しく簡単につくれるし、おうちで作るのにおすすめです。
が、今回のレシピ自体の肝は「ラグーソース」です。市販のタリアテッレでももちろんおいしく楽しめます!
レシピのアピールポイント
ソースの味見をしている段階で、「おいしくて味見の手が止まらない!」という人続出。
肉も野菜もたっぷりで、子どもも大人も好きになってくれるレシピだと思います。
パスタのソースとしてだけでなくそのままで食べてもおいしいので、余った分はラザニアの具にするなどの使い方もできます。
レシピとしてのポイントは、先ほども書いたように「肉を手切りして、ジューシーで肉肉しい美味しさを存分に味わえること」がまずひとつ。
牛肉だけでなくパンチェッタも加えて味に深みを出すのも隠れポイントです。
2つ目は、ソースのベースとなるソフリット(玉ねぎ、にんじん、セロリなどの香味野菜をじっくり炒めたもの)を用意すること。
(にんじんの皮やイタリアンパセリの芯などもソフリットにできるので、食品ロスも減らせます^^)
ちなみにトマトも入れますが、「トマト味」にはなりません。トマトもおいしさを作るための一要素です。
3つ目は、ハーブ使いです。 肉を炒めるときにはローズマリーを、皿に盛ってからは仕上げのイタリアン・パセリをたっぷり使うこと。
肉を手切りするだけでなく、ハーブを上手に活用することも、ラグーソースをおいしく仕上げるポイントだと思います。
(レシピをシンプルにするため今回はローズマリーしか記載していませんが、オレガノやイタパセの芯などをみじん切りにして加えたりもしています)
パスタとあえるソースなので味付けは濃い目がおすすめ。
(パルミジャーノ・レッジャーノもたっぷりかけるので、その分の塩分は考慮して。
パルミジャーノのおかげで、さらに旨みと香りが加わります)
ちなみにラグーソースはパスタに「かける」のではなく「あえる」のが正解です!
しっかりからめて味をなじませます。
牛肉を豚肉にかえて赤ワインを白ワインにすれば豚肉のラグーソースもできるし、(イタリアでは猪肉やうさぎ肉などさまざまなお肉をラグーにします!)たこやえびなど魚介系のラグーソースにもできるので、応用もききます。